「プリンセスは天王はるかの魂を戻すことに成功した」
星野の言葉に、クイーンはパッと表情を明るくした。しかしその直後、あ、と気づいたように口を開いた。
「でも、ウラヌスは……」
クイーンの言葉に、星野は頷いた。俯いて視線をテーブルに残したまま、言った。
「たぶんあいつの代わりに、いなくなった」
「そう……なんだ」
クイーンは呟いた。この結果を喜ぶべきなのかどうかわからない、そんな様子だ。星野も決してすっきりした表情とは言えなかった。
しかしその後、顔を上げて言った。
「だけど、あいつがみちるさんにとっていいと思って決めたことだから。俺はもう何も言わないことにした」
「そっか……」
クイーンは星野の言葉に頷いた。それは決して納得したという意味での頷きではなかった。まだ納得していないけれど、納得するしかない……星野には、そう言っているように見えた。
「でもなー、俺、今回のことで気づいちゃったんだけどさ」
しばらくの沈黙のあと、ややわざとらしく聞こえるような明るい声で、星野が言った。頭の後ろでは手を組み、仰ぐような姿勢で天井を眺める。
「何が?」
夜天が尋ねると、星野は一瞬黙り込み、それから吐き出すように言った。
「俺……アイツの中身がウラヌスだろうと天王はるかだろうと、一生合わねーや。全然理解できねーもん」
星野の言葉に、クイーンは苦笑いし、夜天と大気はため息をついた。
「ああ……だろうね」
夜天がぼそりと呟いた。