「じゃあ……はるかさんの魂は、元に戻せなかった、ってこと……?」
星野からはるかの転生について聞いたクイーンは、震える声で尋ねた。潤んだ目を見開き、星野を見つめている。星野は思わずクイーンから目を逸らした。
「たぶん、そうだ」
そんな……とクイーンはショックを受けたように俯いた。
まさかこんなことになってしまうとは。二人は信頼のおける戦士だからと、キンモク星に行かせたばかりに――クイーンの心に、そんな思いが湧き上がった。
「おだんご」
クイーンの様子に気づき、星野が声をかける。クイーンは顔を上げなかった。
「あの……さ。俺らがこういうこと言うのは、間違ってると思うけど。
ウラヌスは……はるかさんは。お前にそういう顔をさせないために、俺らを助けてくれたんだ」
クイーンは俯いたまま、星野の言葉を聞いていた。
「でも……あたしが、はるかさんとみちるさんにお願いしたから」
「俺たちだ!俺たちが……自分たちの星を、自分たちの力で守れなかったから」
星野がやや語気を強めて言った。悔しげな表情で俯く星野を見て、クイーンは黙った。その場に気まずい空気が流れ、皆しばらく黙っていた。
「でも、さ」
やや重い空気を破って、星野が再び口を開いた。
「それでも俺らがここに来たのは、あいつに言われたからなんだ。お前に会いに行け、って」
星野の言葉に、クイーンが少し顔を上げた。星野はあらゆる感情を含めた重いため息を吐き出して、続けた。
「みちるさんも……俺らのことはなんも言わなかった」
そう言ってから、絞り出すようにこう付け加えた。
「はるかは、ここにいるからいいんだ、って……そう、言ってた」
そこまで言って、星野は目の前のテーブルの上に腕を置き、先ほどよりも深めに顔を伏せた。夜天、大気も複雑な表情を浮かべて、俯いていた。
ゲストルームには相変わらず柔らかな光が差し込み続けていたが、その場の空気はいつまで経っても重く、そこにいた四人の上にのしかかっているようだった。