みちるの身体の造形を、はるかは存分に味わった。胸元の豊かな膨らみだけでなく、水泳によって鍛えられた背や腰も美しかったし、それでいて適度に肉付きのあるお尻もとても綺麗だった。はるかの愛撫に都度反応するみちるも、とても愛おしく感じられた。
なのに、みちるは反応がやめられない自分を恥じているようだった。そんなことで、はるかがみちるを嫌いになったり、いやらしいなどと思うはずがないのに。みちるを愛でる行為ははるかにとって神聖なもので、四肢は神々しさすら感じた。背面もすみずみまで眺め、五感でたっぷりと感じ、ついにはるかはみちるのもっとも秘められた部分に至った。
そこは、とても熱かった。そして柔らかく、みずみずしい果実のようだった。はるかは思わず頬を緩めてしまった。ついにみちるが自分を明かしてくれ、これから繋がることができるのだと感じたこと、そしてみちるも自分を待ち望んでくれていたことを感じて嬉しくなったのだ。
みちるは頬を染め、はるかが触れる様子を見ていた。恥じらいの籠った視線は、はるかを滾らせるのに十分な熱を保っている。熟れた果実に触れるよう丁寧に、はるかはそこに指を滑らせた。凹凸を確かめるように往復させると、みちるは軽く唇を噛んで耐えるような表情でそれを見つめていた。
はるかはみちるの姿勢を変えて、そこがもっとよく見えるようにした。みちるはやはり恥ずかしい様子ではあったが、どこか覚悟を決めたような視線を投げかけてきた。
「綺麗だよ」
はるかはそう言ってみちるの脚を持って広げ、指先を擦り付ける。滑らかで温かい液が指にまとわりついた。目的の場所に指先の第一関節までを浅く入れてみる。ほんの少し進んだだけでそこが狭く熱い場所であることを感じて、はるかの身体も熱くなった。はるかは何度か指先を浅く埋めながら、そこを観察するようにじっくりと見つめていた。
「みちるのここ……溶けそうだ」
はるかが蕩けた声で言うと、みちるは顔を背けて言った。
「あまり、見ないで……」
か細い声で囁かれた言葉に、はるかは目を細めて微笑み、空いた手でみちるの手を握る。
みちるがいかに言葉で拒絶を示していても、身体の反応や視線、紡がれる声音はそうではない。ここまでの睦みあいの中で、はるかはそのことに気づいていた。そして時に、自分の視線ですらもみちるにとっては〝感じる〟ひとつの要素となることにもまた、気づいていた。みちるの身体に走らせる視線のひとつひとつで、彼女の表情がまた微細に変化するのを、はるかは見逃さなかった。
はるかはみちるの秘部に顔を寄せ、蜜を溢れさせる中心部に唇を当てる。
「はるかっ……?! 何を…………んっ、ああっ!!」
はるかは、啄むように何度か口付けをしてから、舌を出してそこを舐め上げた。突然の感覚にみちるは驚き背を反らす。はるかは秘部の形を確かめるようにじっくりと舌を這わせ、凹凸を撫でた。何度か往復させると、刺激に合わせてみちるの嬌声が高く跳ね、腰がひくひくと震えた。繋がれた指にもぐっと力が籠るのがわかる。はるかはみちるの手を握り腿を抱えるようにして、その行為を続けた。
何度掬っても、中から蜜がどんどん溢れてくる。はるかの口元がたっぷりと濡れ、艶やかに光った。
幾度か愛撫を繰り返すうちに、中心部に隠された突起に至る。舌を使って丁寧に探り、優しく擦るように舐めると、みちるはひときわ高く鳴いた。
「ああっ! んっ……はるか……あぁ……いやぁ……はるか…………」
みちるは身を捩り喉を反らせ、まるでその快感から逃れたがっているようにも見えた。だが一方では懸命にはるかの名を呼び、その先を求めている。震える脚をしっかりと支えながら、はるかは何度もそこを吸い上げ、膨らむ蕾を舌で転がした。みちるははるかの指先を握りしめ、半ばしゃくりあげるような高い声を上げた。
みちるの興奮の高まりとともに、自分の中に渦巻く熱もみるみるうちに上がっていくのをはるかは感じていた。みちるの限界はすぐそこに近づいているのもわかった。
「みちる……いいよ」
はるかは一瞬唇を離してそう呟いてから、再度固くなった蕾に舌を擦り当てた。
「だめ……! はるかっ……んっ」
みちるは苦しげに喘いで背を反らせたあと、ぎゅっと全身に力を込め脚を閉じた。はるかはみちるの間に挟まったまま、充血しひくひくと震えが走る中心部に口付けたままでいた。
みちるの絶頂の余韻はしばらく続いた。時折思い出したようにぴくりと痙攣するみちるの脚を、はるかはしばらく抱きしめていた。静かな部屋に、みちるの荒くつく息遣いが響いていたが、やがてそれもだんだんと静まってきて、身体からも力が抜けていく。
はるかは最後にみちるの内ももに優しく口付けたあと、ようやく頭を上げてみちるに顔を向けた。頬を上気させぐったりと横たわるみちるの額を撫で、再び身を寄せる。縋るように首に腕を絡めたみちるを、はるかはキスで迎えた。
それからしばらく、恥ずかしげにはにかんで見上げるみちるを、はるかは愛おしむ様子で眺めながら髪を撫でていた。
みちるが自分に心を開き身を委ねてくれたことに、はるかはとても喜びを感じていた。
温かく幸せで、間違いなくふたりにとって最高の夜の始まりだった。