「プリンセス、こちらへ!」
セーラースターメイカーの誘導で、火球皇女は王宮の地下の扉をくぐった。
「プリンセスは、こちらで待っていてください」
セーラースターヒーラーが声を掛け、頑丈な木の扉を閉める。
直後、三人から少し遅れて、セーラースターファイターが地下通路にやってきた。
「どう、外の様子は」
メイカーが聞くと、ファイターが首を振った。
「ダメね。このままだとここも時間の問題よ」
ファイターの言葉に、ヒーラーが唇を噛んで俯く。
「王宮までやられたら……今度こそタダじゃ済まないわ……」
「でも諦めてはダメよ。私たちはプリンセスをお護りするんだから。少し落ち着いてから、また行きましょう」
ファイターが鼓舞するように二人に声を掛けた瞬間だった。
ゴオオオオオオオオ
強い地鳴りとともに建物が大きく揺れ、三人はよろめいた。
「来たわね」
三人は慌てて地下通路を駆け抜け、地上に上がった。
外に出ると、大量の砂埃が舞っていた。ファイターは思わず腕で口元を覆い、様子を窺う。数メートル先の地面に、大きめの瓦礫がいくつか転がっているのが見えた。
――まずいわ。建物への被害が出ている。
ファイターが敵を探し、上空を見上げた時だった。
「ワールド――――」
「ディープ――――」
聞き覚えのある声が重なって聞こえてきた。
「まさか」
「この声は」
ヒーラー、メイカーも上空を見上げ、その姿を探す。砂煙の隙間から、三人の目に閃光が見えた。
「シェイキング」
「サブマージ」
続けて聞こえた声と共に、また大きな音が聞こえる。そして直後、砂煙が一気に吹き飛んだ。
「やっぱり……」
砂煙が晴れた上空の建物の上に二人の戦士の姿を捉え、ファイターは呟く。
そこにいたのはやはり、かつて銀河を守るために共に戦った戦士、セーラーウラヌスとセーラーネプチューンだった。