―おまけ―
「あら、なんか今日機嫌が良さそうね」
上機嫌で歩いていると、同僚に声をかけられた。私はニコニコしながら彼女に囁く。
「ふふふ……実は私、天才レーサーの天王はるかの担当になって、さっき面談してきたの」
「えーっ! いいなぁ。ちょっと分析結果見せてよ」
彼女は私に向けて手を出し、ちょうだい、の仕草をする。
「だーめ。個人情報だもの。担当の私しか見れないわよ。
……でもねぇ、非の打ち所がないくらい見事な生活だったわ」
「さすがー。ねえ、また来るなら教えてよ」
「あー、残念。もういいって言われちゃったの。だって改善する部分がないもの」
「なーんだ。残念」
残念がる同僚に背を向けて、私はデスクに戻る。そして先程出た簡易結果の用紙をもう一度眺めた。
――ほーんと。非の打ち所がない生活だわ。
先程まで面談をしていた二人の美女を思い出し、私は仕事に戻った。