その日四人で訪れたホテルのランチは最高だった。
料理はもちろん、みちるとせつながこっそりホテルに手配してくれたバースデーケーキはとても凝られたもので、見た目もよく味も絶品だった。
はるかが満足感に浸っていると、せつなから会計伝票が渡される。
「えっと……せつな。今日は僕の誕生日……」
戸惑いながらせつなに言うと、せつなは微笑みながらはるかにだけ聞こえる低くて小さな声で囁いた。
「はるか。わかっていますね」
その笑顔からは信じられないほどに圧を感じるその声に、はるかは思わず黙って伝票を受け取ってしまった。
それから数日間、はるかはことある事にせつなから送られる圧に悩まされることになるのだった。