依然として解決の糸口が見えないまま、時間は刻一刻と過ぎていく。相変わらずせつなは、ほとんど家に帰れない生活を過ごしていた。
皆で定期的に連絡を取り合っているものの、特に新しい情報は見つかっていない。「その時」が迫っているのに何もできず、それぞれが焦りを感じていた。
事態は進展していなかったが、一方で変化もあった。ずっと続いていた異常気象が、十二月になって急に落ち着き始めたのだ。相変わらずこの時期としては多少高めの気温ではあるが、連続して上陸し続けた台風はパタリと止み、極端な気温の変化も減った。その代わり、空にはずっと厚く暗い雲が垂れ込め、日中でも暗くどんよりとした日々が続いた。
十一月の極端な気象変動の日々を経験し疲弊した人々にとっては、それらが落ち着くだけでも心身の負担が減り、希望を取り戻すきっかけとなる変化であった。
しかし分厚くかかり続ける暗い雲はこれからの行く末を暗示ているようでもあり、元セーラー戦士たちは不安を隠さずにはいられなかった。