私にはずっと、想いを寄せている人がいる。
天王はるか。戦士としての私のパートナー。
私は、好き、という単純な言葉で済ますことのできない、大きくて強い感情を、彼女に抱いている。はるかの存在を知ってから、ずっとはるかのことを意識していたし、好きだったし、振り向いてくれたらいいと思っていた。
最初は、あまりに遠い存在で、遠くから見ていられるだけで良かった。
はるかが、私と同じ使命を持つパートナーだと知った時。彼女に辛い思いをさせるかもしれないという心配をすると同時に、喜びを感じてしまった。
共通の友人がおり、彼女を介してはるかと話ができると知った時は、夢を見ているようだった。
そして、はるかの覚醒。
はるかが元の生活に戻れないと思うと、胸が張り裂けそうな程に辛い気持ちと、止められなかったことへの後悔を感じた。
だけどそれ以上に、たった一人で戦い続けていた自分が、強く大きなものに支えられるようになった安心感を感じた。
彼女が隣を歩いてくれる。共に戦ってくれる。私の方を見てくれる。
焦がれていた存在がこんなにも間近になることに、私は驚きと興奮と喜びで、幸せすらも感じてしまっていた。
そして、もっと近づきたい、こちらを見てほしい、振り向いてほしい……私の欲は、どんどん大きなものに育っていった。戦士の使命があるから、とある程度の自制はしていたけれど、心の底では常に、はるかを求めていた。
――今思えば、私のそんな態度が、自分を苦しめ、身を滅ぼし、そしてはるかをも傷つけることになってしまったのだと思う。